Sprint : Monday ( Design Sprint 1日目 )
こんにちは、Makuake UIデベロッパーの牧野 周 (@mackymakiosh)です。
Design Sprintに関して日本語ドキュメントが少なすぎるので、今回は5日間のプロセスの初日にあたる月曜日の内容に関して本家Google Venturesのmedium記事を翻訳してみました。
Design Sprintの解説記事は別途アップ予定です。
以下翻訳
本記事は、"Sprint : How to Solve Big Problems and Test New Ideas in Just Five Days"から内容を抽出してお届けしており、より深くDesign Sprintを学びたい場合には、Google VenturesのThe Design Sprintドキュメントをチェックすると良いかもしれない。
初日となる月曜日、まずは社内ノウハウを共有することから始め、ユーザーやプロダクトの問題に対する理解をしたり、ターゲットユーザーを設定する。たった5日間にも関わらず、毎日議論したりホワイトボードの前で過ごすことに違和感を感じるかもしれない。しかし、初日をスピーディにこなし、社内で知っていることを共有しあいものごとに優先順位をつけることで、間違った方法で問題解決することはもうなくなるはずだ。
月曜に建設的な議論をすれば、1週間の道しるべを作ることができる。午前中には”Start at the End”と呼ばれる最終的な目標決めからスタートし、中長期的なゴールに対してコンセンサスを取ろう。次に今回のスプリントでのチャレンジマップを作ることになる。午後には社内の各職種の詳しい人たちに、彼らが知っていることを共有してもらう。最終的には目標を設定する - 野心的でありながらも管理できる範囲内の、1週間で解決できる問題だ。
もちろん月曜日に行う内容を知りたければ”the Sprint bookが最も完璧なガイドになるが、初日のスケジュールと、ファシリテーターのためのチップスを以下で記載している。また、月曜日の内容と具体例について説明するビデオを用意した。
不明な点があればSprint Weekに実施したライブチャットQ&Aを見て欲しい。そこに答えがなければ気軽にGVのTwitterにコメントしてほしい。そして最後にようやくスケジュールの紹介をしよう。
月曜日のスケジュール
注意 - スケジュールはアバウトなものなので、遅れても焦る必要はない。60 ~ 90分ごとに休憩をとることを忘れずに。(もしくは11:30や15:30など時間を決めて毎日休憩を取ろう)
10:00
❏今日のスケジュールをホワイトボードに書こう
書き終わったらこのスケジュールを横線などで消してみよう。簡単だったでしょう?今日1日、各スケジュールが終わるごとに消すのを続けてみよう。
❏アイスブレイク
知らない人がいたら自己紹介などをしよう。ファシリテーターと、最終的な意思決定をする"Decider"を指名して、彼らの役割を説明しよう。
❏Sprintについて説明しよう
5日間のSprintのプロセスについて説明しよう。thesprintbook.comにあがっているslidedeckを使っても良い。スケジュールを話し、簡潔にそれぞれのアクティビティーについて説明しよう。
10:15 (くらい)
❏中長期的な目標を設定しよう
楽観的になろう。どうしてこのプロジェクトをやっているのか?半年後、1年後、さらには五年後には自分たちはどうなっていたいのか?中長期目標をホワイトボードに書こう(詳しくはSprint Bookの55ページを参照)
❏Sprint Questionsをリストアップする
今度は悲観的になろう。「いかにして私たちは失敗しうるか?」というネガティブチェックをしていこう。そういった恐怖に対して、この1週間を通じて答えられるようにしよう。ホワイトボードにリストアップしよう。(57ページ参照)
11:30 (くらい)
❏マップを書く
ユーザーや主要な登場人物を左側にリストアップしよう。最終的な目標とともに、右側にゴールを書こう。最終的には左右の間を埋めるようにフローチャートを作り、ユーザーがどのようにしてプロダクトとインタラクトするのかを明示しよう。その際にはなるべくシンプルに、できれば5~15くらいのステップでまとめよう。(65ページを参照)
13:00
❏ランチタイム
メンバーで行けるなら、みんなでランチに行こう(楽しいよ)。ランチはできるだけヘビーじゃない軽いものにして午後眠くならないようにしよう。もしあとでお腹がすいたなら、おやつでも食べればいいよ。
14:00
❏詳しい人に聞こう
今のチームで各分野に詳しい人に色々と聞いてみたり、社外からゲストを呼んで詳しい事情について聞いてみよう。それぞれにかける時間は15分から30分くらいを目処にしよう。組織やプロダクトのビジョンや、顧客調査結果、ものごとがどのように作用しあっているか、これまでに打った施策などについて聞いてみよう。まるでテレビのレポーターのようにインタビューしよう。内容に応じて先ほど設定した中長期目標や質問内容、マップなどをアップデートしていこう。
❏HMW 法について説明しよう
ホワイトボードに書くためのマジックペンと、ポストイットを配ろう。今ある課題点を成功するためのチャンスとして捉えよう。各ポストイットの左上にはまず"HMW(How Might We?)"と書いてみよう。一枚のポストイットに対して基本的には1アイディアで書いていこう。どんどん数をストックしていこう。(73ページを参考)
(注 : How Might Weに関しては下記リンクが参考になると思います。)
16:00 (くらい)
❏HMWポストイットを整理しよう
全てのポストイットを色々なソートの仕方で壁に貼り付けてみよう。似ているポストイットは近くに。テーマでまとめられるものは随時まとめていこう。完璧は目指さないこと。10分くらいたったら一度この場面はストップ。
❏HMWポストイットに投票しよう
基本的に1人2票で投票しよう。同じアイディアに二票投票しても良い。(ドット投票と呼ばれている)
16:30 (くらい)
❏ターゲットユーザーを設定しよう
最も重要なターゲットユーザーと利用シーンについてマップ上で印をつけよう。チームメンバーも加勢して構わないが、"Decider"が最終決定をする。
重要なアイディア
- "Start at the End" - 最終的な目標やリスクを想像することから始める。そのあとに、その最終結果にたどり着くために何をしたら良いのかを紐解いていく。
- 「全てを知っている人は誰もいない」- "Decider"でさえも全てを知らない。チームのノウハウは、各メンバーの頭の中にある。大きな課題点を解決するためには、そのノウハウをメンバーし、共有知を構築する必要があるだろう。
- 「問題点を成功するためのチャンスとして捉える」- 課題点について注意深く聞き、HMW方を使って課題点をチャンスに変えよう。
ファシリテーターのためのTips
- 許可をもらおう - ファシリテートをしてもいいか、チームに許可をもらおう。当日の進行役をつとめることを事前に説明して、Sprintがより効果的に回るようにしよう。
- ABC:Always be capturing (常にメモを取ろう) - ホワイトボードに書かれた内容とホワイトボードの内容がSyncするようにしよう。即興で書いても良い。「それ、どういう風にメモしたらいいかな?」と常に聞くようにしよう。(89ページ参照)
- 当たり前なことを疑おう - 神経質になろう。なぜ?を多用しよう。(90ページ参照)
- 休憩をしっかりとる - チームメンバーのエネルギーを温存しよう。 60 ~ 90分ごとに休憩を取ろう。おやつを食べて、軽いランチにするようにみんなに伝えておこう。
- 決定し、とにかく進む - 遅い意思決定はメンバーの体力を消耗し、Sprintのスケジュールを圧迫する。もしチームが長い議論に入り始めたら"Decider"に議論を修正してもらおう。
Design Sprint二日目 : Tuesdayの記事はこちらから
完璧なSprintのガイドを読みたければ Sprint: How to Solve Big Problems and Test New Ideas in Just Five Days. をチェックしよう。各スケジュールごとの内容が詳細に書かれ、SlackやAirbnb、Mediumなどの具体的な活用事例が記載されている。Sprint Bookは下記のリンクから購入可能だ。
原文はこちらから
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